入居者インタビュー|協立3ビル「山海尽くし 勝也」店主 菊池 勝也さん

2026.07.28
入居者インタビュー|協立3ビル「山海尽くし 勝也」店主 菊池 勝也さん

協立3ビルは、勾当台公園駅から程近く、東北最大級の繁華街「国分町」にあります。

2階の「山海尽くし 勝也」は、店主 菊池 勝也さんの素晴らしい手仕事に魅了され県外からお客様も訪れる仙台有数の名店。入居から20年以上、思い出を振り返りながら、季節のお料理をいただきました。

豪快に”活かす”、「勝也」のスタイル

「わぁっ!すごい……!」
彩り豊かなお造りに、一同から歓声が上がります。

(氏家)近頃の飲食店には、「映える」を意識したお店が多いと感じます。ジュエリーのように繊細に一品ずつ提供するお店もあれば、どーん!と豪快に出すことで画面上での迫力を狙うお店もありますよね。
勝也さんは、素材を活かし、豪快に、けれど仕事は繊細で丁寧というスタイルを「映える」という言葉が出てくるずっと前から貫いていらっしゃいますね。

(勝也さん)接待用にと意識している部分があります。私がお客様をおもてなしすると同時に、お客様もおもてなししたい方をお連れになっていらっしゃいます。人数が多いと、量で圧倒されてしまいがちですが、華やかに、丁寧にお作りしてお出ししています。

「なかなか機会もないでしょうから、ぜひ手で持ってかじりついてください。」と、お皿からはみ出る「山わらび」は、勝也さん自ら山に入り採ってきた季節ならではのメニューです。

通常のわらびよりも茎が太く食べ応えがありながら。穂先は柔らかく、根元はシャキシャキとした歯応えの変化を味わえます。東北に住んでいても、なかなか味わうことができない食材はおもてなしにぴったりです。

歓声が上がるお料理はまだまだ続きます。

お店の名物は『蟹サラダと仙台牛A5ランクステーキ』。カニのほぐし身がたっぷりと乗ったサラダは、カニ味噌と和えて食べると、さっぱりとしながらも奥行きある味わいでお酒がすすみます。

美しいサシが輝く仙台牛はA5ランクのステーキで贅沢に。塩とワサビ、特製のソースと味を変えながら溢れ出る肉汁と旨みを噛み締めて、ついつい無言になってしまう美味しさです。

「豪快」な一皿の中には、細部まで行き届いた繊細な職人技の数々が。最後の一口まで感動が続くお料理は、大切な人への「おもてなし」と同時に、自分自身も盛大にもてなされ夢心地のひとときです。

料理人になり38年、変わらないこと

(氏家)勝也さんの料理人を志すまでのルーツをお伺いできますか。

(勝也さん)私は、農家の生まれなんです。お金のない時代だったので、本家に預けられて、農家を手伝いながらご飯の支度をする、なんて幼少時代を過ごしました。さまざまありましたが、その先で「親父、ごめん!」と東京に出て料理の道を志すようになったんですよ。数えてみたら、今年で38年になりますね。

(氏家)そのうち20年以上を、このビルで歴史を紡いでくださっています。勝也さんが昔と変わらず続けていることはありますか?

(勝也さん)市場の仕入れは必ず自分の足で行っていますよ。”最近の若者は”なんていうと良くないでしょうが、朝に市場へ来る人はずいぶん減ったように感じます。だからこそ、大助かり!という仕入れがあるんです(笑)

(氏家)夜の営業後に、朝の市場で仕入れは大変という方も多いでしょうね。

(勝也さん)そうかもしれません。私の頃は、夜の営業を終え、寝ずに市場へ行き、仮眠をとって営業を迎える日々こそが売れているステータスでした。しかし昨今はそうではありませんね。体調が悪ければ休む、ライフスタイルを尊重する。いい時代になったという部分もあれば、料理人としてもったいないなと感じてしまう部分もあります。

(氏家)流通が良くなり、苦労しなくても良い部分が出てきたこともあるのかもしれませんが、勝也さんは、市場に、山に、ご自身で通い、目利きしているからこそ”もったいない”と感じられるのかもしれませんね。

(勝也さん)経験を積んできたからこそ、天候を先読みして予約に合わせて先に仕入れているものもあります。今晩お出しするムラサキウニは、今日の仕入れでは手に入らないと思い、先立って仕入れをしていたものです。

(氏家)美しい実入りですね。勝也さんは「親方のおまかせコース」のみだからこそ、その日の美味しいものが味わえますね。特にウニは値段にも波がありますし、メニューにいつでも同じ金額で記載できるものはないはずですから。「時価」だからこそ、品質が保証される部分があるのかもしれないですね。

こだわりの日本酒の数々

(氏家)お店は、日本酒のラインナップも素晴らしいですね。

(勝也さん)お客様の中には、お酒の発売に合わせてご予約してくださる方もいらっしゃいます。綿屋や田酒を楽しみにご旅行で訪れる方もいれば、王道ですが十四代を見て喜んでくださる方も多いですね。

(氏家)せっかくなのでおすすめをいただきたいのですが、何かございますか。

(勝也さん)麒麟山はいかがですか。今は七夕に合わせて「ながれぼし」を準備しています。キレがよく、料理に合わせやすい“食中酒”にぴったりな銘柄です。昔、いくつか有名なお酒が並ぶ中で「どれがうまい?」と飲み比べた際に、一番料理に合い、美味しいと感じたのでそこから好んで仕入れています。

私自身が担当した、思い入れあるお店

(氏家)私は、仙台協立の三代目なので「祖父、父の代にご入居いただいたお客様」を担当していた時期があります。皆様、大切な入居者様で、この協立3ビルでいうと「小料理 松なが」はビル完成時から長年関係が続いています。ですが、やはり「自分自身が入居に関わった方」というのは深い思い入れがあります。勝也さんは、その一人です。

(勝也さん)協立ビルへの入居は、知り合いの紹介がきっかけでしたね。入居当初は同じ2階の入り口に近い場所でしたが、この場所が空室になった時に氏家社長に「奥が空いたけど、どう?」って声をかけていただいたんです。

小さいところからの移転をご提案したり、物件がスケルトンの状態からこの場所でどんなことをするのかという話をしたり。東日本大震災に、コロナに、大丈夫か?乗り越えられるか?という局面も数々ありましたね。

私たちビルオーナーは、このように素敵なお店がご入居くださることがやはり嬉しいんです。「居心地がいいビル」を現状維持するのではなく、ビジネスを相乗効果で伸ばしていくパートナーとして、「良いビル」と思っていただける部分をビルに、まちに少しずつ増やしていきたいですね。

店舗情報
山海尽くし 勝也
仙台市青葉区国分町2-12-19 協立3ビル 2F
定休日:日曜祝日(臨時定休日あり)
電話:022-716-1660
営業:17:30〜23:00
※要予約 前日までにお電話にて

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