入居者インタビュー|定禅寺ヒルズ1F「おむすび 東雲」店主 赤羽根 凱さん

2026.01.31
入居者インタビュー|定禅寺ヒルズ1F「おむすび 東雲」店主 赤羽根 凱さん

今、定禅寺通エリアは仙台市市役所の建替えや歩道拡張と大きな変化の最中にあります。仙台協立ではこれを”通り全体の価値向上”の好機と捉え、定禅寺ヒルズの1階に人気店「おむすび 東雲」を誘致しました。

機械式駐車場として稼働後、空き空間となっていた場所は、1月18日の「おむすび 東雲」オープンから連日多くの人で賑わっています。欅並木が美しい仙台の象徴的な通りが、工事後にいかに魅力的な場所として多くの方が訪れる場所となるのか。可能性を秘めたこの場所への出店経緯と今後の展開について店主 赤羽根 凱さんへ伺いました。

“定禅寺チック”を作っていく

ー 定禅寺エリアの再開発に伴い、定禅寺ヒルズの元駐車場スペースは兼ねてから利活用について協議されてきました。どのような経緯でこの場所を飲食店とし、「おむすび 東雲」を誘致することになったのでしょうか。

(氏家)私たち株式会社仙台協立は、定禅寺通の市役所建替え・歩道拡張による大きな更新を”定禅寺通全体の価値向上”の好機と捉えています。歩道拡張により「広くなったね」で終わるのではなく、きれいな歩道が完成していくとともにお店がオープンすることで市民の方にもその活用方法や、定禅寺通の未来をイメージしてもらうきっかけになればと思います。

これまで、定禅寺通では歩行者に向けた取り組みとしてベンチを設置するなどの実験を行ってきました。使う場所があっても、使う人がいなければ意味をなしません。少しずつ浸透し使ってくれる人も増えていくと、次にベンチで食べている食事や飲み物に注目することができました。そこには、私たちの思い描く姿とのギャップが存在していると感じたのです。

そのギャップを埋めていくには、定禅寺通を定禅寺チック(定禅寺らしく)に使えるようなお店が必要です。その中で、株式会社雑談会議のメンバーから「おむすび 東雲」の名前が上がったことが誘致のきっかけです。

地元宮城の魅力を発信し、地元ユーザーに愛されていながら半数以上のお客様が県外、国外からも訪れる人気店です。出店いただけたなら、店舗が起点となり、定禅寺チックを生み出していくお店が新規出店する連鎖を生み出していくだろうと考えました。

(赤羽根)私がお店を続ける上で大切にしていることは「まちの景色を守っていく」ことです。地域の魅力を発信すること、まちの生産者やお店を、おむすびを通じて知っていただき足を運んだり、応援してもらう機会を作ること。このプロジェクトのお話をいただいた時、定禅寺通を愛し盛り上げようとする雑談会議さんとは、まちづくりへの向き合い方が一致していました。

その上で、具体的にどのようにすれば双方にとって、そして、このまちにとってより良い形で出店が実現するかの調整を行いました。

氏家社長からは、お金や契約に関する提案や、この場所から何ができるかという可能性を柔軟に考えていただきました。ビルオーナーとは、契約の際にご挨拶をする程度であまりお会いするイメージがなかったので新鮮でした。

(氏家)今回は少し特殊な、工夫した契約を交わしています。「まちづくりのためのお店である」として、趣旨からずれてきた場合には、話し合いによって解約ができるようになっています。数年で答えに到達しないのがまちづくりですから、まずは興味や関わりから定禅寺通をどうにかしたい! と思ってくれる人が増えていくことを望みます。

まちの景色を守っていくこと

店主 赤羽根さんは「おむずび 東雲」創業前にバックパッカーとして世界中を旅した経歴をお持ちです。旅の経験から地元である宮城・仙台を客観視する機会を得て地元の魅力を発信していく手段として「おむすび 東雲」をオープンしたそう。創業から今回の出店までを伺いました。

ー 創業に至ったきっかけには、地域の魅力発信も在るかと思います。魅力発信の取り組みについて具体的に教えていただけますか?

(赤羽根)様々な国を旅していく中で、日々当たり前だったことが当たり前でない状況も多々ありました。たとえば、日本では屋根のある暮らしが当たり前でしたが、旅の最中は決してそうでなかったこともあります。

そうした中で、物事の本質は”捉え方”だと気がつくことができました。僕自身がまちの景色を変えることは難しくても、その景色が持つ意味を変える力は持っている。僕自身が魅力に思う宮城・仙台の魅力を発信していきたいと思い、創業に至りました。

取り組みの一つとして、地域の生産者さん、業者さんから単に仕入れをするのではなく、その人たちの思いやストーリーを自分たちの言葉で伝えられるよう実際に足を運ぶことも大切にしています。おむすび屋としてはご一緒することが難しかった業種の方とは、主催イベント「道ノ奥(みちのく)」でご一緒する機会を生み出すなど活動を続けてきました。

ー 今回の店舗で新たに取り組みとして行われる予定のものはありますか?

(赤羽根)現在、店内壁面には地域のレコード店と連携した販売スペースを設けています。ゆくゆくここにはレコードサイズでまちの情報が並ぶ予定です。観光にいらしているお客様の中には、当店で朝ごはんを食べるために宿泊プランをあえて素泊まりにしてきてくださる方も多いので、朝食を食べながら1日の過ごし方を組み立てていただく案内所のようなスペースになるかもしれません。情報を提供するだけではなく、皆さんから情報を集め更新更新していく考えもあります。

また、春以降は1日の中で3形態の営業を予定しています。朝〜昼はおむすび、夕方までのカフェタイム、夜はまた表情を変えて。様々な業態により訪れる人が変わり、変化があることで人と人が交わり、新たなイノベーションが生まれていくことを期待します。

「定禅寺チック」の答えは「このまちを、より良くしていきたい」という人が集まっていくことで形や言葉になっていくはずです。プレイヤーの一人として、定禅寺通で挑戦したい人、定禅寺通を盛り上げたいお店をビルオーナーへ繋ぐことができる立場になったので、可能性を見せる場所として活用をしていきます。

おむすび東雲のこれから

創業当時から「宮城・仙台の魅力を発信したい」という軸は変わりません。

そんな中でも、店舗を持つことで紹介できなかった魅力的なお店や生産者、取り組みもたくさんあります。主催イベントを立ち上げることで解消したと思っていましたが、イベントは非日常的なもので終わってしまうことも課題でした。

定禅寺通という仙台の象徴的な場所で、おむすび東雲でありながら様々な形で人、もの、ことを紹介できる場所が完成しました。

「東雲」の意味は「空が明るむ瞬間」を指す言葉です。冬のこの季節、私たちの始業はまさに東雲時から始まります。新しい1日が始まるように、この場所から新しいことへの挑戦を積み重ねていけたらいいなと思っています。

(店内カウンターの足元には、機械式駐車場時代の回転盤が残る)
(定禅寺通で目を惹く暖簾は、染色家へのオーダーにより欅並木の四季の移ろいを表現している。今後季節によって表情を変えるそう。)

店舗情報
おむすび 東雲
〒980-0803
宮城県仙台市青葉区国分町3丁目3−1 定禅寺ヒルズ 1階
営業時間:7:30〜14:00(今後変更の予定あり)
定休日:火曜日

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